世界一周の旅も、いよいよ最後の1区間になりました。ニューヨークから羽田まで、14時間25分のフライトです。
この便で乗ったのが、ANAのビジネスクラス「THE Room」でした。世界一周特典航空券の空席を探していたとき、私が一番乗りたかった座席です。席を見つけた時は、声をあげて喜びました。
扉を閉められる個室のような空間、洋食のパンを白ごはんとお味噌汁に変えてもらえたこと、そして到着前に届いた思いがけないお祝い。実際に乗って分かったことを、写真とあわせて残しておきます。
これからTHE Roomに乗る方、座席選びで迷っている方の参考になればうれしいです。
- THE Roomの座席と個室感
- 5Kという座席を選んだ理由
- 実際に出てきた機内食
- フルフラットの寝心地
- アメニティとパジャマの有無
搭乗したJFK発羽田行きの便

まずはこのフライトの基本情報からお伝えします。世界一周特典航空券の最終区間として予約した便で、ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港を昼過ぎに出発し、翌日の夕方に羽田へ到着する行程でした。日付をまたぐうえに時差も大きいため、感覚がつかみにくい便です。
フライトの時間と機材
8月1日の13時30分にJFKを出発し、羽田に着いたのは8月2日の16時55分でした。時差13時間を差し引くと、実際に飛んでいたのは14時間25分になります。
機材はボーイング777-300ER。ANAがTHE Roomを搭載している機材です。
出発前のANAラウンジ
JFKでは出発前にANAのビジネスラウンジを利用しました。
ただ、正直に書くと、ラウンジではほとんど食事を取っていません。ホテルでおいしい朝ごはんをしっかり食べたあとだったからです。ラウンジの食事を楽しみにしている方は、直前の食事を控えめにしておくとよいと思います。
前方に見えたファーストクラス
機内では、前方にあるファーストクラスの座席も目に入りました。座席の上に、金色の風呂敷のようなもので包まれた荷物が置かれています。

中身は「BAKUNE Dry(バクネ ドライ)」というパジャマの上下などだそうです。TENTIAL社のリカバリーウェアで、ANAが国際線のファーストクラスに導入しています。路線や季節によってタイプが変わり、持ち帰ることもできるそうです。ファーストクラスでは、こうしたものが座席に置かれた状態で用意されているのですね。
一方、ビジネスクラスの座席にパジャマは置かれていませんでした。ただし、ビジネスクラスでも客室乗務員に頼めば貸してもらえるそうです。北米線をはじめ、多くの長距離路線が対象になっています。
THE Roomの座席と広さ

THE Roomという名前のとおり、この座席の特徴は「部屋のような空間」にあります。扉を閉めれば通路からの視線が遮られ、自分だけの場所になります。一方で、使ってみて初めて気づいた不便もありました。良い点だけでなく、そこもあわせてお伝えします。
扉を閉められる個室

座席の横には扉があり、閉めると通路からの視線を遮ることができます。
ただし完全に隠れるわけではありません。扉の高さは、客室乗務員が上から中の様子を確認できる程度です。目隠しにはなりますが、密室ではないと考えておくとよいと思います。
モニターも大きく、座ったまま無理のない距離で見られます。
座席まわりの収納
意外だったのは、座席に手荷物を仕舞う棚などがないことでした。飛行中は座席まわりに置いておけますが、離着陸のときは、すべて上の棚に入れるように言われます。
機内で使いたいものは、あらかじめ小さなバッグにまとめておくとスムーズです。
アメニティの中身

アメニティはポーチに入った状態で配られます。ポーチはイタリア・ミラノの老舗ブランド「FRANZI(フランツィ)」のものでした。
- FRANZI のポーチ
- CULTI MILANO の TESSUTO リップバーム 4.25g
- CULTI MILANO の TESSUTO ハンド&ボディローション 10ml
- キャップ付き歯ブラシ
- アイマスク
- 耳栓
- ANAオリジナルのエコバッグ
スキンケアはイタリアのフレグランスブランド「CULTI MILANO(クルティ・ミラノ)」でした。機内の乾燥はこたえるので、リップバームとローションが入っているのはありがたいところです。
なお、スリッパは配られますが、このポーチの中には入っていません。

なお、パジャマは座席に置かれていませんが、頼めば貸してもらえます。着替えて休みたい方は、声をかけてみてください。
座席5Kを選んだ理由

THE Roomは座席によって向きが変わります。私が選んだ5Kは進行方向と逆を向く配置でした。予約の時点では不安もありましたが、窓からの景色を優先してこの席にしています。実際に乗ってどう感じたかをお伝えします。
進行方向と逆向きの席
乗る前に一番気になっていたのが、逆向きで変な感じにならないかという点でした。
結論から言うと、ほとんど違和感はありませんでした。離陸のときに少し不思議な感覚がある程度で、飛んでしまえば向きを意識することはなくなります。逆向きを理由に避ける必要はないと思います。
窓側を選ぶメリット

窓側にしてよかったと思ったのは、離陸直後でした。ニューヨーク近郊の海岸線が、しばらくのあいだ眼下に広がります。
上空に出てからも、飛行中は思いがけない景色が現れます。
なお、進行方向を向いた席も窓には面しています。ただし窓側にテーブルがあるため、景色は見えにくいそうです。景色を楽しみたいなら、逆向きの席のほうが向いていることになります。
どの列がどちら向きかは、ANA公式のシートマップで確認できます。予約の前に見ておくと、座席を選びやすくなります。
実はこの機材の座席には規則性があります。
- 奇数列(5・7・9など)は後ろ向き(A・E・F・K)
- 偶数列(6・8・10など)は前向き(C・D・G・H)
景色を見たいなら、奇数列の窓側にあたるAかKを選ぶ。そう覚えておけば、シートマップを開かなくても座席を選べます。
座席選びのポイント
- 景色を見たいなら逆向きの窓側
- 前向きの席は窓側にテーブル
- 窓側でも通路に面している
- 逆向きでも違和感は少ない
- 機内で使うものは小さなバッグに
窓側を選んでも通路に面しているので、出入りで困ることはありませんでした。
THE Roomの機内食

長いフライトの楽しみのひとつが機内食です。ANAのビジネスクラスでは和食と洋食から選べますが、私は洋食を選びました。そのうえで、客室乗務員の方から思いがけない提案をいただきました。そのやりとりも含めてお伝えします。
洋食を選んだ理由

ビジネスクラスの食事。和食と洋食どちらも美味しそうだったのですが、牛肉のステーキに惹かれて洋食を選びました。前菜から順番に運ばれてきます。
白ごはんとお味噌汁の対応

洋食を選んだものの、白ごはんも美味しそうだなぁ……と思っていました。すると客室乗務員の方から、「白ごはんとお味噌汁もお出しできますよ」とご提案いただき、変更していただきました。
海外でも白ごはんを食べられるところは多いのですが、おいしさが全然違うんです。久しぶりの白ごはんとお味噌汁に感動しました。
和食と洋食のどちらか一方を選ばなければならない、と思い込む必要はないようです。気になることは聞いてみるとよいと思います。
味と量の感想

ステーキは柔らかく、おいしくいただきました。機内食という言葉から想像するものより、ずっとしっかりした食事です。量も十分でした。

到着前にはもう一度食事が出ます。こちらは和食にしました。焼き魚とごはん、お味噌汁という構成です。
フルフラットの寝心地

14時間を超えるフライトで一番気になるのが、眠れるかどうかだと思います。THE Roomはフルフラットになる座席ですが、実際にどのくらい眠れたのか、そして少し困ったことが起こったこともお伝えします。
ベッドへの変え方
座席のボタン操作で、背もたれが倒れてフラットな状態になります。上から敷くマットレスパッドと薄い掛け布団があり、しっかりしたベッドになりました。
実際に眠れた時間
結論から言えば、よく眠れました。長距離の時は、フルフラットで眠れる快適さは最高です。
横になれるというだけで、到着したときの体の軽さがまったく変わります。ここがビジネスクラスの一番の価値だと感じました。
フルフラットにできない原因
ただ、最初はうまくフラットにできず、しばらく困っていました。ボタンを押しても途中で止まってしまうのです。
客室乗務員の方にフラットにできないことを伝えると、一緒に操作してくれました。それでも解決しません。
次に別の客室乗務員の方が来てくださり、いろいろと試すなかで原因が分かりました。座席の下に置いていた靴です。靴が引っかかって、座席が最後まで倒れなくなっていました。
- 靴は座席の下に置かない
- フラットにする前に足元を空ける
- 途中で止まったら足元を確認
心に残ったCAのサービス

設備のことをここまで書いてきましたが、この便で一番心に残ったのは座席でも食事でもありませんでした。客室乗務員の方とのやりとりです。世界一周の最後の便にふさわしい時間になりました。
声をかけてくれた客室乗務員
フライト中、客室乗務員の方が時々、様子を見ながら話しかけてくれました。用事があるときだけでなく、少し雑談をするような場面もあります。
退職と世界一周の話
そのなかで、退職記念に世界一周をしてきたこと、この便が最後の区間であることをお話ししました。特別なことを期待したわけではなく、ただの世間話のつもりでした。
届いたデザートプレート
ところが到着前、思いがけないものが運ばれてきました。「Congratulations!」と書かれたフルーツの盛り合わせと、メッセージカードです。

会社を辞めるという決断をしてから、ここまで来たことを誰かに祝ってもらえるとは思っていませんでした。

マイルを貯めて、席を探して、ようやくたどり着いた最後の便でした。この一皿は忘れられないと思います。
THE Roomのよくある質問

ここまで読んでいただいた方が気になりそうな点を、私の実体験の範囲でまとめました。これから乗る方の判断材料になればと思います。
特典航空券での搭乗可否
可能です。私はANAマイルの世界一周特典航空券で乗りました。ただし特典航空券の座席数は限られているため、空席を見つけるのは簡単ではありません。
おすすめの座席番号
景色を楽しみたいなら、逆向きの窓側席です。私は5Kでした。進行方向を向いた席は窓側にテーブルがあり、景色が見えにくいそうです。窓側でも通路に面しているので、出入りのしにくさを心配する必要はありません。
機内食のリクエスト可否
私の場合は、客室乗務員の方から白ごはんとお味噌汁を出せると提案していただけました。気になることがあれば、相談してみるとよいと思います。
フライト時間の目安
ニューヨークから羽田までは14時間25分でした。時差13時間のため、出発日の翌日夕方に到着します。
荷物の置き場所
座席に荷物を仕舞う棚などはありません。飛行中は座席まわりに置けますが、離着陸のときはすべて上の棚に入れるよう案内されます。
パジャマの貸出
座席に置かれてはいませんが、客室乗務員に頼めば貸してもらえます。北米線や欧州線など、多くの長距離路線が対象です。サービス内容は路線によって異なり、変更されることもあるため、詳しくはANA公式サイトでご確認ください。
THE Room搭乗記のまとめ

一番乗りたかった座席に、世界一周の最後の区間で乗ることができました。期待が大きいと実際はそれほどでもない、ということもありますが、この座席に関してはその心配は不要でした。
- ニューヨークから羽田まで14時間25分
- 座席は逆向きの5Kでも違和感なし
- 洋食に白ごはんとお味噌汁を添えてもらえた
- フルフラットでよく眠れた
- パジャマは頼めば借りられる
- 靴を座席の下に置くとフラットにできない
設備の満足度はもちろんですが、思い出に残ったのは客室乗務員の方の心遣いでした。マイルで手に入れた座席が、退職という区切りを祝ってもらう場所になるとは思ってもみませんでした。
この便にたどり着くまでの道のりは、ANA世界一周特典航空券の記事にまとめています。必要だったマイル数と実費も公開していますので、あわせて読んでいただければうれしいです。
これからも、退職後の暮らしやマイルの貯め方、旅の記録を書いていきます。


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