何年か前から、ずっと会社を退職したいと思っていました。世間的には申し分ない会社で年収に不満があったわけではありません。ただ、数年前から母の介護で時間を取られること、また、担当していた仕事にやりがいを持つことができず、自分の人生このままでいいのかと思っていました。何かにもっとチャレンジしたい!と。。。色々と考えた末、
決め手になったのは、1枚の航空券でした。
ANAのマイルで発券する「スターアライアンス世界一周特典航空券」。行きたい日程で全区間のビジネスクラスに空席が揃った日、私は会社を辞めると決めました。
この制度は2025年6月23日をもって新規発券を終了しています。つまり、同じ旅をこれから予約することはできません。だからこそ、必要だったマイル数も、マイルとは別に払った金額も、記録として残しておこうと思います。
- 全区間ビジネスクラスの必要マイル数
- マイルとは別に必要だった実費
- 大阪発で実際に飛んだルート
- 航空券が退職の決め手になった理由
- もう同じ予約ができない理由
ANA世界一周に必要なマイル数

最初に結論からお伝えします。私が全区間ビジネスクラスで世界一周をしたときに使ったマイルは、125,000マイルでした。この数字だけを見ると、多いと感じるか、意外と少ないと感じるか、人によって分かれるところだと思います。ここでは必要マイル数の決まり方と、マイル以外にかかったお金について整理しておきます。
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私が実際に使ったのは125,000マイルです。これで大阪を出発し、アジア、ヨーロッパ、アメリカを回って大阪に戻る全区間が、すべてビジネスクラスでした。
エコノミークラスであればもっと少ないマイルで発券できましたが、長距離路線を何度も乗り継ぐ旅程です。体力のことを考えても、ビジネスクラス以外は選択肢にありませんでした。
距離で変わるマイル数の仕組み
スターアライアンス世界一周特典航空券は、全旅程の飛行距離を合計し、その距離が属する区分によって必要マイル数が決まる方式です。
そのため、同じ「世界一周」でも、寄り道を増やせば必要マイル数は上がります。逆に距離を抑えれば、少ないマイルで発券できました。私の旅程はおおよそ21,000マイル前後の距離感です。
マイル以外にかかる費用
特典航空券という名前から、マイルだけで飛べると思われがちです。実際には税金と燃油サーチャージを現金で支払う必要があり、私の場合は129,190円かかりました。
この金額の中身については、後ほど詳しく触れます。
世界一周特典航空券は終了

この記事を読んでくださっている方の中には、これから同じ旅を計画したいと考えている方もいるかもしれません。先にお伝えしておくべきことがあります。この航空券は、もう新しく発券することができません。私が旅立つことを決めた理由も、実はここにあります。
2025年6月の新規発券終了
ANAのスターアライアンス世界一周特典航空券は、2025年6月23日をもって新規発券を終了しました。長年マイルを貯めてきた人にとって、最大の目標のひとつがなくなったことになります。
発券済みチケットの扱い
終了日までに発券された航空券は、有効期限内であれば従来通り利用できる扱いでした。私が旅を続けられたのも、終了前に発券を済ませていたからです。
現在使える代替手段
現在は、片道特典航空券や途中降機を組み合わせて複数都市を回る方法が代替案として挙げられています。ただし私自身がその方法で旅をしたわけではないため、ここでは深く踏み込みません。実際に試した際には、別の記事で詳しくお伝えします。
全席ビジネスクラスのルート

実際にどこを回ったのかは、これから計画を立てる人にとって一番イメージしやすい部分だと思います。私は大阪を出発し、大阪に戻ってきました。途中で一度日本に帰っているので、少し変わった使い方をしています。その理由も含めてお話しします。
大阪発着で訪れた都市

世界一周特典航空券で実際に降り立ったのは、次の都市です。
- バンコク(タイ)
- ニューデリー、タージマハル(インド)
- パリ(フランス)
- ワルシャワ(ポーランド)
- ニューヨーク(アメリカ)
- 東京を経由して大阪へ帰着
アジア、ヨーロッパ、北米と、太平洋と大西洋を1回ずつ横断する構成です。これは世界一周航空券のルールでもありました。
パリで一度日本に戻った理由
パリまで進んだところで、私はいったん母の介護の関係と、会社の退職手続きのため、日本に帰国しています。世界一周航空券を途中で止め、別に用意したチケットでフィレンツェ、ローマ、シンガポールを経由して帰りました。
その後、また別にマイルで取ったJALのチケットでパリに戻り、続きの区間から旅を再開しています。長い旅程を一度に走り切るのではなく、間に休息を挟んだかたちです。
途中降機を活かす考え方
この航空券には途中降機が認められており、滞在期間にもある程度の自由がありました。行きたい都市に腰を据えて滞在できたのは、この仕組みのおかげです。
ただし、途中で使った別チケットには別途マイルと有償料金、サーチャージがかかっています。世界一周航空券だけで完結したわけではない点は、正直にお伝えしておきます。
税金と燃油サーチャージの実費

マイルが貯まれば無料で世界一周ができる訳ではなく、実際には現金での支払いが発生します。私が実際に支払った金額をそのまま公開します。
実際に支払った総額
世界一周特典航空券の発券時に支払った税金と燃油サーチャージの合計は、129,190円でした。125,000マイルに加えて、この現金が必要だったことになります。
- ANAマイル 125,000マイル
- 税金と燃油サーチャージ 129,190円
マイルとは別に現金が必要な理由
特典航空券でマイルが充当されるのは運賃部分だけです。各国の空港税や出入国にかかる税、それに燃油サーチャージは、マイルでは支払えません。また訪れた都市での滞在費や食事代が別途必要です。
訪れる国が多いほど税金の種類は増えますし、燃油サーチャージは航空会社や路線によって金額が変わります。世界一周のように多くの国をまたぐ旅程では、この部分がまとまった金額になりやすいのです。
別チケット分は別途必要
先ほど触れたとおり、私は途中で一度日本に帰国し、またパリへ戻っています。この区間は世界一周航空券に含まれておらず、別のマイルと有償チケット料金、サーチャージを使いました。
つまり129,190円は、あくまで世界一周特典航空券だけの金額です。旅全体の総額ではない点にご注意ください。
特典航空券が退職の決め手

以前から、自分の人生のことを考える中、定年まで会社にいるのではなく、自分で何かにチャレンジしたいという思いがありました。ただ、いろんな不安や周りの反対があるのではと踏み切れませんでした。そんな中、なぜ辞める決断をしたのか。きっかけは、航空券の空席画面を見ていた、ある日のことです。
終了を知って押さえた席
制度が終わると知ったとき、まず考えたのは「最後に一度だけでも使いたい」ということでした。行けるかどうかも分からないけれども、行けなかったらキャンセルすればいいと思い、とりあえず席を押さえたのが始まりです。
この時点では、まだ退職は決めていませんでした。
半年以上かけた日程調整
そこから半年以上、日程の調整を続けました。この世界一周チケットは、一度発券すると初めに決めた航路と航空会社は変更できないのですが、日程は何度でも変更できます。発券した当初は、日程が全然整っていませんでした。自分の行ける日程でビジネスクラスの空席を探しました。空席状況は毎日変わります。ある区間が取れれば別の区間が埋まり、そのたびに組み直しの繰り返しでした。
調整を続けるうちに、気持ちが少しずつ変わっていきます。仕事の合間にルートを眺める時間が、いつの間にか一日のなかで一番楽しい時間になっていました。
全便ビジネスが揃った日
そして、希望していた日程で全区間のビジネスクラスが揃いました。画面を見た瞬間、もう戻れないと分かりました。この旅に行くなら、会社を辞めるしかなかったからです。
退職を決めたのは、その日でした。
世界一周分のマイルの貯め方

125,000マイルをどうやって貯めたのか。これは多くの方が気になる部分だと思います。結論から言えば、短期間で一気に貯めています。
2024年度に一気に貯めた
私がマイルを貯めたのは2024年度の1年ほどです。何年もかけて少しずつ積み上げたわけではなく、クレジットカードの入会キャンペーンを使って集中的に貯めました。
使ったのはAMEXビジネスゴールド
利用したのはアメリカン・エキスプレスのビジネスゴールドカードです。当時実施されていた大型の入会キャンペーンが、まとまったポイントを得るきっかけになりました。
特典航空券の予約で苦労した点

マイルさえ貯まれば、あとは予約するだけ。そう考えていましたが、本当に大変だったのはここからでした。特典航空券には決められた座席数しか用意されておらず、行きたい日に行きたい便が取れるとは限りません。私が半年以上かけた理由もここにあります。
毎日空席を検索し続けた日々
行きたい日程にビジネスクラスの空席を見つける作業が、何よりも骨の折れる工程でした。朝と夜に検索し、空きが出ていないか確認する毎日です。
キャンセルが出れば席が復活することもあるため、根気よく探し続けるしかありません。この作業が半年以上続きました。
THE Roomが取れた瞬間

一番乗りたかったのは、ニューヨークから東京へ向かうANAのビジネスクラス「THE Room」でした。その席が取れたときの嬉しさは、今でもはっきり覚えています。画面を何度も見直してから、ANAの世界一周特典航空券予約デスクにすぐ電話をしました。
憧れの座席に手が届いた瞬間でした。
実際に乗ったときの様子は、【THE Room搭乗記】ANAビジネスクラスの座席と機内食にまとめています。座席の選び方や機内食の写真も載せているので、あわせてご覧ください。
特典航空券のよくある質問

ここまで読んでいただいた方から、よく聞かれそうな点をまとめました。制度が終了した今だからこそ気になる部分もあると思いますので、私の実体験の範囲でお答えします。
現在の発券可否
新規発券はできません。2025年6月23日をもって終了しているため、これから同じ航空券を手に入れる方法は残念ながらありません。
必要だったマイルと現金
私の場合はマイルが125,000マイル、現金が129,190円でした。旅程の距離によってマイル数は変わるため、すべての人が同じ金額になるわけではありません。
全区間ビジネスクラスの可否
可能でした。ただし簡単ではありません。私は半年以上かけて日程を組み替え続け、ようやく全区間を揃えています。
マイルを貯めるのに必要な期間
私は2024年度の1年ほどで貯めました。クレジットカードのキャンペーンを使った短期集中型なので、飛行機に乗って貯める場合はもっと時間がかかります。
今から世界一周する方法
片道特典航空券や途中降機を組み合わせる方法が代替案として知られています。私はまだ試していないため、実際に経験してからお伝えしたいと考えています。またJALが加盟するワンワールドであれば、まだ世界一周の特典航空券が発券できます。
海外での通信手段と料金
私が使ったのはトリファというeSIMです。日本にいるうちにアプリで設定を済ませられるので、現地に着いて電源を入れればすぐに繋がります。空港でSIMカードを買う列に並ぶ必要がありません。
国ごとに購入した料金は次の通りです。すべて最低のギガ数で契約し、紹介リンクを経由して割引を使っています。
| 国・地域 | 期間 | 料金 |
|---|---|---|
| タイ | 3日間 | 1,450円 |
| インド | 4日間 | 1,720円 |
| ヨーロッパ周遊 | 5日間 | 2,490円 |
| シンガポール | 1日 | 660円 |
| ヨーロッパ周遊(2回目) | 17日間 | 3,400円 |
| アメリカ | 4日間 | 1,720円 |
| 合計 | 11,440円 |
世界一周の全行程で合計11,440円でした。ビジネスクラスで世界を一周した旅の費用としては、通信費はごくわずかに収まっています。
ただし、良いことばかりではありません。インドでは一度、繋がらなくなりました。街中で立ち往生してしまい、たまたま見つけたユニクロの店舗でスタッフの方にWi-Fiを借りています。その場でUberを呼び、どうにかホテルへ戻ることができました。
海外では通信が常に安定するとは限りません。繋がらなかったときにどうするかを、頭の片隅に置いておくと安心だと思います。
\ 私が旅の間ずっと使っていたeSIMです /
海外のネット接続をアプリで完結【トリファ】世界一周特典航空券のまとめ

ANAのマイルで発券した世界一周特典航空券は、私にとって単なる移動手段ではありませんでした。定年を待たずに会社を辞めるという、人生で一番大きな決断を後押ししてくれた1枚です。
- 必要マイル数は125,000マイル
- 税金と燃油サーチャージは129,190円
- 大阪発着でアジア・欧州・北米を周遊
- 新規発券は2025年6月23日に終了
- 空席探しに半年以上を費やした
この航空券はもう発券できません。それでも、マイルを貯めて憧れの座席に乗るという体験そのものが消えたわけではないと思っています。
この旅の最後の区間となったニューヨーク発羽田行きの搭乗記は、【THE Room搭乗記】ANAビジネスクラスの座席と機内食にまとめました。私はこれから、退職後の暮らしやお金のこと、マイルの貯め方、そして各都市の旅の記録を書いていきます。会社を辞めるかどうか迷っている方にとって、判断材料のひとつになれば嬉しいです。
同じように早期退職を考えている方は、ぜひ他の記事ものぞいてみてください。退職後の生活についてもお話しする予定です。

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